太陽がだんだんと沈んで空がオレンジに色づき出す。 誰もいない教室であたしは1人、窓ぎわの席に座っていた。 と言っても、もちろん座っているだけじゃない。 控えめに半分開け放たれた窓からある一点を見つめている。 『片倉颯太』 グラウンドでボールを一生懸命追いかけているその人。 汗をかきながらも爽やかで、何より楽しそうに走っている。 その名前、その姿だけであたしの胸を高鳴らせるのだ。