あー……しんどかった。
袋をドシャアと置くと指か解放された
曲げると痛い指にイライラする
『…で、何だっけ。昼の準備?』
「そうだねぇ。じゃあ、この机を組み立てよぉか」
折り畳み式の机と椅子が入った段ボールを指さした童顔
それに頷き動き出す黒崎
俺は…そうだな、見張りをしようかな
『いや、働けよ』
「は、何で俺が。童顔が俺のために働くべきだろ」
『…働け』
「ケッ」
クルリと反転
俺は黒崎とは違う方向を向いて歩き出す
ただでさえダルい行事に最悪な族付き
更には偉そうな黒崎までいる
あー!イライラする!!
何処でサボろう……
キョロキョロと辺りを見回すと調度良い切り株
座ると少し落ち着いた俺ははぁ、と溜め息を吐いた
……族、か
俺が童顔、族を毛嫌いしているには理由がある
………………
いや、言わないけどな
面倒くせーし
他人からしたら大した話じゃねーし
「……音楽聞きたい」
教師に没取されなければあったはずのイヤホンが恋しい
いや、イヤホンじゃなくて音楽が恋しいんだけどな
何だよ、イヤホンって…あぁ、黒崎がイヤホン君イヤホン君って五月蝿いからか
……何だろうな、アイツ



