先輩と私と。

朝練が終わって、教室で担任が今日の集まりを黒板に書く。





“生徒会 昼 生徒会室”





いつも書いてあること。




毎日あるから消されないで少しかすれてきた文字。






今日もか、なんて思いながら、それを机に書く。






そうしないと、忘れちゃうから。











昼休みに、サッカーをしにグランドに行く男子に混じりながら生徒会室に向かう。






見慣れたその特別教室には由梨華ちゃんがいる。






何か紙を持っていた。





「由梨華ちゃん、何してるの?」





「あ、莉生先輩!!!笹浦先輩からです。みんなのあります」





由梨華ちゃんが指差したほうをみると、同じ封筒が何個も置いてある。





「由梨華ちゃんたちのも?」





「はいっ」





かかわりなんてほとんどなかったはずなのに。







そこまで出来る零がすごい。





その手紙の集まりの中から自分のを探す。






だけど、いくら探してもない。






「ない.....」




もうほとんど集まっていてみんなが私の周りにいる。






次々と自分の手紙を持っていくのに、





私はないから、




その場に佇んで、






みんながどんどん離れていく。





「ない.....よ」






「何ボケッとしてんの」





ヤマキに掛けられた声。





「ない、んだけど」





「ははっ。ドンマイじゃん!!!」





慰めで背中を叩かれてもちっとも嬉しくない。





「え、ひどい」




ボソッと言うその声はみんなのしゃべり声でかき消される。





寂しくて、悲しくて。






電池が切れたロボットのように動けない。