『ん。分かった。今から迎えに行く』




「え、いいよ!!!私が行く。どこでやってる?」




必死の元気で言う。




『いいって。じゃ』





そう、勝手に切られる電話。





私は急いで制服から私服に着替えた。




夏に見た零の私服。




冬バージョンがちょっぴり楽しみで、




でもにたにたは出ないまま、コートを着て外に出る。








零が向こうから歩いているのが街灯でぼんやりと見える。




姿を見ると、とげが1つだけ抜けた気がした。






私を見つけて走ってくる零にもとげが抜ける。





「待った?」





「ううん。全然」




「みんな、待ってる」





「うん!!!」




必死の笑顔で返しても、





まだとげはたくさん刺さっているんだ。