初めは、天使さんが私を迎えにきてくれたんだなって、単純にそう思いました。

深く考えたくなかったんです。

そのコは、私と同じショートカットで、制服をきていました。

私がもう一人いたんです。

「希望を捨てちゃいけないよ・・・。」

そのコは静かに、透き通るような声で、でもはっきり、ゆっくりと言いました。

私は声を出すのがやっとでした。

ちゃんと言葉が出てこなくて、変なうめき声が口から漏れるばかりでした。

でも。

そのコはクラスメート達と違って、何も言わずに、優しい目で私が話すのを待ってくれました。

私は、詰まりながらも、伝えたいことを一生懸命そのコに言いました。

「もう・・・嫌なの・・・何にもできない自分が、嫌いなの・・・。」

クラスメートに、声をうまく出せない病気を笑われること。

技ときこないふりをして、私に何回も同じことを繰り返し言わせる嫌な先生のこと。

親も、仕方が無いと言って、関わろうとしないこと。

そのコは最後まであいづちを打ちながら、熱心に聞いてくれました。

私がしゃべり疲れると、おやすみと言って、私にニコッとしました。

誰かと話したのは久しぶりで、なんだか心が軽くなりました。

そのコは、ピーチと名乗りました。

♡マークの、ピーチとー・・・。