ヒンヤリとした手が、ぬくもりを求めるように頬を包んだ。


そっと額を合わせると、上目づかいで覗き込んだトワ。

長い睫が、前髪を揺らす。




「俺の一生をかけて、真子を愛すよ」




透明な水のような、澄んだ声があたしの中へ染み渡る。

そしてトワは、ふわりと微笑んだ。


「俺の、お嫁さんになってください」


正宗さんに受け取っていた指輪は、トワにぴったりで。



「っ、は、はいっ……」



あたしは、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら、コクコクと頷いた。

大きく腕を広げたトワが、ガバッとあたしを抱きすくめる。
ギューって、これでもかって程強くされても、それすら幸せで、もっともっと涙を誘うんだ。


「ふぇぇーーん」

「真子ってほんと、可愛いよね」

「うわぁん!トワはっ、ず、ずるい〜」




ねえ、トワ。

あなたは気付いてるのかな……。


あたしに愛の告白をしてくれた、まさにその時間。

あたし達は、この世に産まれたんだよ?





―――2月22日

午前0時00分……。