これを叫ばないで、一体いつ叫ぶんだ!

気を抜いたら喉をついて出てきてしまいそうな声を、必死にかみ殺す。


ガチガチに固まったあたし。
そうだっ。

みんなが寝てる今のうちに、トワには部屋を出てもらっ……。


「真子、いい匂い」

「っ!」


動き出そうとしたあたしの体に、まるで包み込むようにギュウって回されたトワの腕。
スンスンって匂いを確かめるように、胸元に顔を埋めるトワに、フリーズ。


ドクン!ドクン!!ドクン!


心臓がありえない速さで鼓動を刻む。

まさにそこにいるトワには、きっとそれは筒抜けなわけで……。

今にも意識を手放しそうなあたしに、トワはトドメの一言を放つ。



「ドキドキしてて、可愛いな……」

「!」


そう言って、さらに抱きしめられた。


ああ、もう……。
あたし、ダメだ……。