「えええ!、プロポーズぅぅぅう!!?」


すっかり夏めいた昼下がり。
夏休みを目前にして、学校中が浮き足立ってる今日この頃。

学校の中庭で大声を上げたあたしは、持っていたサンドイッチを落っことしそうになってしまった。



「しぃ!真子ちゃん声おっきいよ」


人差し指を唇に押し当てて、真っ赤になった爽子が慌ててキョロキョロト周りを見渡した。


「ご、ごめん……びっくりして、つい……」

「それにプロポーズじゃないよ!ただ……結婚しようって言われただけだし」


……それをプロポーズと言うんじゃ?

まるで茹でタコ。
爽子は、自分でそう言っておきながら、恥ずかしそうに俯いた。

なんだかその姿が、可愛くて思わず頬が緩んでしまった。


「でもすごいね、カナトくん。よかったね、爽子」

「うん……ありがとう」


爽子の胸元には、ゴールドのネックレス。その先には華奢なエンゲージリングが光っていた。

聞けば、爽子の17歳の誕生日にカナトくんがプレゼントしてくれたんだって。
爽子の卒業を待って、結婚してほしいって。





「真子ちゃん……あのね?」

「ん?」


俯いていた爽子が、パッと顔を上げたその時。