それから二人の言い合いがしばし続いたが終止符を打ったのは涼くんの一言で・・・




「頼まれてやるからには何か見返りがないと、坊城一族と東條組の婚約の裏事情


なんて普通なら探れない・・・ですよね?片山さん」



「そうやで~なにか犯罪にでも絡んでんならまだしも一般市民の内部事情

探るんやしいくら俺が警視総監の息子でも下手すりゃ親父の首が飛ぶ・・・


っつうもんよ!まあ・・・坊城グループって言っても一皮むきゃあヤクザの


親玉、叩けば埃が出てくるってのは当然って俺は思ってっけど・・・・」



「わかった!わかったわよ!!付き合います!付き合うから・・・

だから調べてほしいの!莉子は許せてもあの女に蓮を取られるのはどうしても


許せないのよ!」




・・・という茜ちゃんの叫びが響き渡り・・・まあようやくまとまった話だけど


あたしの胸の中は不安だけが募って、話し合いのあとのカラオケもなんだか


楽しめなくてぼーっと玲奈ちゃんや茜ちゃんの歌を黙って聴いていた



「・・・ちゃん・・・・莉子ちゃん!さっきから携帯鳴ってるよ」




「えっ・・・・携帯?」




意識を飛ばしてぼーっと聞いていたせいなのか携帯の鳴ってる音にも気づかないなんて



あたしってばどうかしてる・・・




部屋を出て廊下に出ると携帯を開く



・・・ん?哲さんからだ!何かあったのかな?今日は行けないって連絡はしたんだけど


花子さんに何かあったのかな?



あたしは変な胸騒ぎを覚えながらもおそるおそる携帯のボタンを押した