究極的な愛の形



興奮気味の笑いが掠れていく。塞がれた口には布、そうして鼻腔を通る薬品の匂い。


「君は優しいから。持ち物を捨てられない。家族も友人も、外も現実も、僕以外のモノ全部――捨てられるようにお手伝い。

大丈夫、目が覚めたらきっと――どうでも、良くなるよ」


これが六時間前の話であり、目覚めた彼女を待っていたのは、ただひたすらに“愛してみせる彼”であった。