そんな先輩をみて、私もきょとんとする。
頭の中にはハテナがいっぱいで、なぜこんなところにそんなに慌ててきているのか。
しかも聞き間違いじゃなかったら今、広太って言った?
「兄ちゃん!!!」
握っていた私の手を離して、広太は矢野先輩に向かって走り出した。
「に、兄ちゃん!?」
「そー!俺の兄ちゃん!!」
驚いていると、広太は自慢気にこっちを見て言った。
「じゃあ、待っていた広太のお兄さんが矢野先輩!?」
「ああ、こいつは俺の弟だけど……。」
まだ状況を把握していない先輩。
でも私は今、全てがつながった。
広太のお兄さんが、矢野先輩で…
焦って入ってきたのは、広太が病院に運ばれたと連絡をうけたから。
なるほど…、納得。
「かっけーだろ!俺の兄ちゃん!」
幼いながらの少し変なイントネーション。
クスッと笑いながら、可愛い広太の笑顔をみていた。
