「き、き、きーち先輩っ?!何するつもりですかぁっ?!」


あたしがそう言っても、きーち先輩は軽く首を横に振っただけで何も答えてはくれなかった。

先輩の顔が近づいてきて、
あたしはパニック状態。

両頬を挟んでいるきーち先輩の手を両手で掴み、必死に抵抗を試みるも、きーち先輩の手はビクともしない。

そんなこんなしている間に、きーち先輩の顔はピントが合わなくなる位の目前。

きーち先輩の高い鼻と、
あたしの小さな鼻が触れる・・・


「ちょ、ちょ、ちょーー…っ?!」


そう叫んだあたしの声は、
重なった唇に遮られた。

先輩の唇は、先にミネラルウォーターを口にしたからか、少しヒンヤリとしていたけど、あたしに触れた部分から熱を奪っていくかの様に温かくなっていく。

テンパリながらも、コーヒーゼリーの二の舞にはなりたくないって思いながら、あたしは歯をガチガチに食い縛った。