きーち先輩は、あたしにスマホのカメラを向けて、ニヤリと笑った。 な、な、な… 「何を撮ってるんですかーー!!!」 「ん?長澤の変顔?」 がーーーーん……。 放心状態のあたしに、 きーち先輩は撮った画像を、 『ほら。』 と言いながら見せてきた。 眉毛はつり上がっていて、 どことなく困り顔をしているのに、 ニヤけた唇。 確かに…確かに変顔です。 「消して下さいっっ。」 立ったまま、あたしは頭を下げて懇願した。