ーー コンコン…
「…誰?」
「き、きーち先ぱ…」
「美憂っ?!」
あたしの名を呼んだきーち先輩は、慌てて部屋の戸を開けて顔を見せた。
「あたし…仲直りしたくて…それで…」
「いいから、入って。」
そう言いながら、
あたしの腕を優しく引くきーち先輩。
ーー パタン…
と、戸を後ろ手で閉めた瞬間、
振り返ったきーち先輩に抱き締められるあたし。
「あの…あたし、寂しくなかったわけじゃないんです。先輩も、部活頑張ってたし…だから、あたし…。」
「いや、いいんだ。…俺が悪かった。…ごめんな?美憂。」
「そんなっ!あたしこそっ…可愛いげがなくて…ごめんなさい。それで…仲直りしたくて…」
と話しながら、あたしは来る前に買ってきた
ニャンニャン用品が入った紙袋をバッグから取り出し、きーち先輩に手渡した。

