溺愛系と天然系が恋しました!




「ねぇ?長澤。聞いてる?」


「えっ?っっえぇ!聞いてまするっ!!」


一人でショゲてるところを、
再度きーち先輩に名前を呼ばれて、
ビビったあげく…

何言ってんだ、あたし。


あたしの返事を聞いていた杉並先輩、きーち先輩、香苗の3人は、一瞬ポカーンとした後に吹き出して笑った。


「んな、笑いすぎですよ…。」


あたしが項垂れて呟いた時、
廊下から黄色い声が響いてきた。


多分、いや絶対きーち先輩のファンの子達だ。
普段からモテるのに、今や完璧な執事様。
追いかけたくもなりますよねー…。


きーち先輩は、
『ヤバイっ!杉並!絶対言うなよ?!』
と言いながらあたしの腕を引いて、
暗幕の裏側にある休憩スペースに入り込んだ。

暗幕の外側からは、杉並先輩の、
『…はいはい。ったく、どこがいいんだか…』
と、やれやれという感じで返事をしたのが聞こえてきていた。