完全に陽が差すころ、やっと郁実が起きてきた。





「あ~、頭痛がする」





顔をしかめ、苦しそう。





「そうなの!?薬どこにある?」





「んー、ココに」





甘い表情であたしを見つめ、朝一からキス。





「もぉっ、ふざけないで!さっさと食べて、仕事に行きなさいよねー!!」





「お~、怖ぇ。あ、ウマそ。やっぱ、真央っていい嫁になるよな~」





テーブルに並べた、朝食を見て郁実が笑顔をみせる。




昨日の話、覚えてるんだ……。




勢いで言っただけに、時間が経ってから言われるとすごく恥ずかしい。












「食ったら、すぐ出かける。仕度しろよ」





「……うん」





郁実の仕事の時間はわからないけど、あたしも仕事だしね。





12時に現場直行だから、ゆっくりできると思ったけどそうもしていられない。





何を話すでもなく、テレビを見ながら郁実と朝ごはんを食べる。





服を着替えて、マンションを出た。