「俺がお前を寂しくさせてるのにな……勝手言ってゴメンな」




「ううん……そんなことない。郁実の夢は、あたしの夢だもん。それにね……」





こんなこと、きっと郁実の負担になる。





現状では、可能性なんて0に等しい。





だけど、やっぱり今伝えたい。





顔を上げて、郁実を見つめる。

















「あたしの夢……不可能だけど、郁実のお嫁さんになることなの。バカみたいに、ずっと信じてる……」





あたしの言葉に、郁実が目を潤ませるのがわかった。





そして同時にギュッと力いっぱい抱きしめられる。





「ゴメン……俺……全然、真央の気持ちわかってない。自分の気持ちばっか押し付けて、サイテーだ……」





息が苦しくなるほど、腕に力をこめる。





そんな郁実が、鼻をすすり始めた。





黙ったまま、必死に何かを堪えているようで……居たたまれなくなってくる。