学校一のモテ男といきなり同居

「聞いて……今、大事な話をしてたの。なのに、あんなの…あんまりだよ」




あたしがそう言うと、郁実が不服そうに口を尖らせる。




「お前んとこの社長、マジで大丈夫?明日も仕事場で会うんだろ?なのに、わざわざこんな時間にかけてきてさ」




「だから仕事の話だって言ってるじゃない。それに、明日は社長と同行じゃないし、会わないよ」




「あっそ。お前は隙だらけだからなー。襲われました、あぁそうですかじゃすまねーぞ?」




「なに勘違いしてるの!?」




「高木ちゃんの例もあるしな?あれだけ何でもないって言ってたのに、勢いに負けて流された。女って、そーいうイキモンじゃねーの?」




なっ……なんでそうなるの!?




「高木さんはどうか知らないけど、あたしはそんな女じゃないから!」




「どーだか。ミキオが言ってた…今まで男の話なんてほとんど聞かなかったのに、会えば社長の話がよく出てくるって」





「それは、今まであたしの周りに男の人がいなかっただけで…」





「だから、余計だよ。ちょっと甘い言葉をかけられただけで、コロッといっちゃうんじゃね?」















郁実の挑発的な言い方に、あたしは戸惑っていた。




腹がたつというよりは、言葉にし難い複雑な感情。




高木ちゃんのことだって、最初にモメて以来、口に出さずに耐えてきた。




そして郁実の周りには、あたしが心配する限度を超えるほどの女の子がいて。




週刊誌で噂になったりしても、仕事上での関係だって割り切って、郁実の言葉だけを信じてここまでやってきた。




それなのに、たったひとりの…




しかも、事務所の社長に対してこんなことを言われるなんて。




なんだか、腑に落ちない。