あ~……やだ。 起きたくないぃ。 まだ完全に目の覚めていないあたしの耳に、ケータイのアラーム音が届く。 ベッドの上で、何度もゴロゴロ。 だけどいつまでもこうやってるわけにも行かず、やっとのことで重い瞼を開いた。 制服に着替えて、洗面所で顔を洗って髪を梳かす。 キッチンに行くと、お母さんが朝ごはんの準備をしていた。 「おはよ~。眠い……」 「おはよう。郁実くんを起こしてきてよ」 わ、アイツまだ起きてないの? あたしも大概寝坊してるけど、さすがにもう起きないとヤバい時間。