「真央の機嫌がなおるまで、あともー少しだけ一緒にいよ」




グイッと腕を引っ張られて、気付けば郁実の腕の中。




「ダメだってば、あたし…学校行かなきゃ」




「遅れて行けって。俺も、8時半がギリ。あと1時間あるよな」




「だけど…んっ……」




立ちあがろうとしたけど、郁実にキスされた。




「行かせない。俺が誰を一番想ってるか、わかれよ…他の女なんかに、優しくしてるつもりねーよ」




優しく笑う目もとを見ていると、さっき電話していた表情と全く違うことに気付かされる。




そっか……。




こんな顔、きっと高木さんには見せてないはず。




それを知ってるあたしは、“特別”なのか。













ひとりで納得していると、郁実に再び唇を塞がれた。




唇が離れると、郁実がクスクスと笑う。




「幸せ……」




「えっ?」




「真央と、ずっとこーしてたい」




「うん…あたしも」




「早く一緒に住みたいな。同居じゃなくて、家族として」




ドキーッ!