「あぁ…うん、ゴメンな……こんな簡単に許してもらえるとは思わねーけど。やっぱ、俺が間違ってた」




ドキッ。




昨日はあんなに反発していたけど、自分の非を素直に認めている郁実。




高木さんはどんな反応をしているの?




逃げたと思った郁実が戻ってきて、きっと喜んでるはず。




考えただけで、胸がズキズキと痛む。




これって、完全に嫉妬だよね。




これからどれだけ、こんな感情を抱えていかなきゃいけないんだろう。










「9時半…だよな。今から、行く。待ってて」




ドキッ。




あたしに言うようなノリで、郁実が話している。




言葉ひとつひとつに、反応してしまう。




あぁ…こうして聞いてるだけってツラいな。