「郁実~、おはよ。もう時間だよ」




6時にアラームをかけていたから、あたしは予定通りに起きた。




あたしに起こされた郁実は、驚愕の表情を浮かべている。




「マジかよ……」




「何が?」




「何がって、まだなんもしてねーのに。先に寝るとか、終わってる。あぁ……」




ベッドに突っ伏し、激しく落ち込み中。











昨日の夜のことかな?




その、超悔しそうな姿が、あたしにとって笑いのツボ以外の何物でもない。




「早く高木さんに電話入れて、謝らないと。で、現場直行!」




「楽しそうに言うなよ、まだ時間あるって。今からでも遅くな……わぁっ」




「ダメ!そんな時間ないよ。次に会ったときの楽しみにしてて?次は絶対に郁実と……ねっ」




「そんなこと言って、また逃げんだろ?」




「逃げないよ~。あたしも楽しみだったなぁ…」




「ウソばっか。あ~、やんなるな」




郁実は起き上がると、浴衣から服に着替え始める。




着替え終わった頃、




郁実が起きる前にコンビニで買ってきたパンを郁実に差し出した。