「くかー…」




ウソ……。




口を開けて、爆睡してる。




冗談……だよね?




「ちょっと、郁実……」




呼んでみるけど、無反応。




マジで寝てるよ……。




ホッとしたような、寂しいようななんだか不思議な気持ち。




思わず、クスッと笑みがもれる。




ベッドに寝転んだだけで寝ちゃうって…ホントに疲れてるんだね。




こんな無防備な郁実を見るのは、久しぶり。




安心しきった顔で、すやすやと眠っている。




そっと郁実の頬にキスを落とし、電気を消したあと、あたしも目を閉じた。




郁実の手を握ると、眠っているはずなのにキュッと握り返してくる。




これだけでドキッとするのに、それ以上のことが起きたら、あたしの心臓は壊れちゃうかもしれない。













すごく愛おしくて、大切な存在。




これから……




あたしたちの間には、これまで以上の障害があると思う。




それでも、強い絆で結ばれているから…




きっと、あたしたちは大丈夫だよね。