「大丈夫だから……余計な心配すんなよ」



なにが、『大丈夫』なの?




郁実は、あたしが言いたいことがわかってる?




やっぱりモヤモヤするから、聞いてみよう……。




「高木さんと一緒にいる時間が長いよね……そこはガマンするけど、部屋にふたりっきりとか……そーいうの、ヤダ。

この間も、疲れて寝ちゃったんだよね。眠いなら、勉強やめて部屋から出て行ってもらうとかできなかったのかな」




ワガママ全開で、自分でも嫌。




わかってるけど、言わずにいられない。




「そーだけど…他のヤツがいると気が散るし?それにあのときは、気付いたら寝てたんだよ。

まさかあんな時間まで部屋にいると思わねーし……これから、気をつける……」




「あとね…さっき、高木さん泣いたんだよね。郁実に抱きしめてもらったって……」




「あー…アイツ、そんなことまで話したの?」




郁実が眉をひそめる。











「隠したいってこと?」




「そーじゃねーけど。言わなくてもいいこと、あんじゃん。真央に心配かけたくないだけ…」




あたしも、高木さんに対してそう思った。




だけど、郁実の口から安心させてよ。




「慰めるのに、抱きしめるって…やりすぎじゃない?頭撫でるだけとか、そーいうのでもいいよね」




もう、ダメ。




今まで溜めてたものが爆発したのか、一気に出てくる。




「咄嗟にそーしちまっただけ、責めんなよ」




「そうやって、勢いでキスしたとか…郁実ならいいそう」




「……は?」




明らかに、郁実の顔が不機嫌になっていく。