「騙されたってなに?どうして落ち込んでるの?
あ、彼氏が芸能人なんて、嬉しい半面、人気が出るのが嫌でモヤモヤするってヤツ?」
女の子があたしの顔を覗きこんでくる。
「そうじゃない。あたしはなにも聞かされてなかったの。この1年…ずっと、郁実がどうしてるのかただひとりで悩んでただけ」
「へー、そうなんだ!?心配かけたくなかったからだよ、きっと。今住んでる所だって、汚いよ~。彼女なんて絶対呼べないはず」
「一緒に…住んでるの?」
汚いっていうのは、カムフラージュ?
彼女のあたしを部屋に近づけないためにそんな言い方をしているの?
もう、なにも信じられないよ……。
「住んでるよ~。でも、貸してるって言った方が正しいかな?
ウチの社宅、ボロいの。トイレ・風呂共同。料理はあたしがするから、ご飯は1階で都合のいい人から食べるんだけどね…」
「……しゃ、社宅!?」
「アハッ、ホントはそんないいモノじゃないよ。おばあちゃんちの廃墟寸前のボロアパートを使ってるだけ。
郁実くんって礼儀正しいし、きっと育ちがいいのに、あんなところに住ませてかわいそうだなって思うよ」
女の子は腕組みして、ひとりウンウン頷いている。
ってことは、郁実が言ってたことはウソじゃなかったことになる。
そうだったんだ……。
「このカギ持って、ここに来いみたく言われたの。郁実はここに住んでるの?」
ここはアパートじゃないからきっと違うんだろうけど、一応聞いてみたい。
「違うよ~、この裏にあるの。このビルもおばあちゃんの持ち物だよ。あ、自己紹介が遅れたよね。あたし、高木です。郁実くんのマネージャー兼、事務所の代表をしてます!」
「……えっ?」
「ヤダ~、そんな驚かないで?人手が足りないから、兼任しないとやっていけなくて」
「っていうか…高校生、じゃないの?」
てっきり、同じぐらいかと思ってた。
あ、彼氏が芸能人なんて、嬉しい半面、人気が出るのが嫌でモヤモヤするってヤツ?」
女の子があたしの顔を覗きこんでくる。
「そうじゃない。あたしはなにも聞かされてなかったの。この1年…ずっと、郁実がどうしてるのかただひとりで悩んでただけ」
「へー、そうなんだ!?心配かけたくなかったからだよ、きっと。今住んでる所だって、汚いよ~。彼女なんて絶対呼べないはず」
「一緒に…住んでるの?」
汚いっていうのは、カムフラージュ?
彼女のあたしを部屋に近づけないためにそんな言い方をしているの?
もう、なにも信じられないよ……。
「住んでるよ~。でも、貸してるって言った方が正しいかな?
ウチの社宅、ボロいの。トイレ・風呂共同。料理はあたしがするから、ご飯は1階で都合のいい人から食べるんだけどね…」
「……しゃ、社宅!?」
「アハッ、ホントはそんないいモノじゃないよ。おばあちゃんちの廃墟寸前のボロアパートを使ってるだけ。
郁実くんって礼儀正しいし、きっと育ちがいいのに、あんなところに住ませてかわいそうだなって思うよ」
女の子は腕組みして、ひとりウンウン頷いている。
ってことは、郁実が言ってたことはウソじゃなかったことになる。
そうだったんだ……。
「このカギ持って、ここに来いみたく言われたの。郁実はここに住んでるの?」
ここはアパートじゃないからきっと違うんだろうけど、一応聞いてみたい。
「違うよ~、この裏にあるの。このビルもおばあちゃんの持ち物だよ。あ、自己紹介が遅れたよね。あたし、高木です。郁実くんのマネージャー兼、事務所の代表をしてます!」
「……えっ?」
「ヤダ~、そんな驚かないで?人手が足りないから、兼任しないとやっていけなくて」
「っていうか…高校生、じゃないの?」
てっきり、同じぐらいかと思ってた。


