学校一のモテ男といきなり同居

ストーカーの話で終わってしまったから、



やっぱりあの日のことを思い出してしまう。



……ダメ。



違うことを考えなきゃ。




「あんまり動かないで」




不安になりそうになって目を伏せ、また目線を上げる。




その繰り返しをしていたら、動いていたみたいで怒られてしまった。




「ごめんね…ちょっと、調子が悪くて。今日はもう帰ってもいい?」




「そうだね、こういうのに慣れないよね。俺はこのまま続きをするから、また明日ね」




あたしは足早に美術室を出た。




……草野くんに悪かったかな。




だけど、なんだか胸がドキドキして落ち着かない。




この胸騒ぎはなに?




ふたりっきりだってことに罪悪感が芽生えた?




よくわからないけど、駅までの道を急いだ。