「あとね…ストーカー事件から、ちょっと人間不信っていうか。

男の人が苦手…馴れ馴れしくされると、違和感があるの」



「俺のせいでもあるよな。あのときは、悪かった…郁実先輩がいなかったら…やばいことになってたよな」



「ううん…あたしがミキオくんを怒らせたのがいけなかったんだよ」



「んなことねーって……俺がこんなこと言うのもなんだけど、

真央先輩は、もう新しい恋に踏み出してもいいと思う」



「…え？」



「郁実先輩が好きなのはわかるけど、戻ってくるかもわかんねーし。

待つって…疲れねー？たまには、誰かに寄りかかりたくなることもあんじゃん」



「どうかな…」



「郁実先輩なら今の真央先輩に彼氏がいても、怒ったりしねーよ。」



それは、あっちに行く前に言われたこと。


だけど、あたしは郁実だけを好きでいるって誓った。


そのことに対して、郁実も納得してくれたよね…。



「…ううん。あたしは、ずっと郁実だけが好き。他に彼氏なんて、いらない。

きっとまた、連絡があるって信じてる」



あたしがそう言うのを聞いて、ミキオくんがため息をついた。








「ハァ…そっか。一途だなー…真央先輩の今の言葉、郁実先輩が聞いたら喜ぶだろーな」



一途っていうか…



あたしは、郁実との未来しか考えてこなかったから。



他の人と付き合うなんて、想像もできないだけで。



寂しいから新しい彼氏を作るとか、



そういうのは、別にいいかな…。