学校一のモテ男といきなり同居

「あたし、郁実のことずっと待ってるの。約束したんだもん……」



「待ってる!?そんなことしてたら、あっという間におばあちゃんだよ!?」



「もうっ、友ちゃん!そんな言い方しないで」



「アハハハハ!!そうだよな、おばあちゃんってヒドいな」



あたしたちのやり取りを見て、草野くんがウケてる。



いつも郁実がいた場所に、草野くんがいる。



あたしはそこに、違和感を覚えずにはいられない。



「友ちゃん、あたし…用事思い出した。先に帰るね。草野くんも、またね」



急いでふたりを残し、駅まで急いだ。










ドキドキドキ…。



走ったせいもあるけど、なんだかやたらとドキドキしていた。



郁実がいない未来を、肯定されるのが怖い。



ちゃんと現実を見なきゃいけないってことぐらい、



あたしだってわかってる。



だけど…



やっぱり、それができない自分もいて。



信じる……しか、



ないって思ってる。



いつかきっと、



郁実がまたあたしのところに戻ってくるって、信じたい。