学校一のモテ男といきなり同居

「ううん……もう、終わったことだから……」



「だよな。もう1年以上経つしな」



1年経っても、やっぱりふとしたときに思い出す。



不安で、怖くてどうしようもなくなるの。



だけど、そんなこと人には言わないようにしているから、今も気にしてないフリをすることにした。











「ねえ、どうしてここにいるの?」



「それは、俺がここまで連れてきたから。心配だし、放課後になって様子を見に来たら君が目覚めたってわけ」



「えっ、もう放課後なの!?それに草野くんがどうやってあたしを?えっ、どうやって?」



「アハハハ!気が動転してる?そんな慌てなくても、順に説明するから。三沢さんって、おもしろいな」



草野くんはあたしを見て笑っている。



もう……あたしのバカ。



もっと落ち着かなきゃ、だよね。



「デッサンしてるとき、なんか様子が変だなって思ってたんだ。足元グラグラしてるし……そしたらひっくり返ったから、床に落ちる前に俺が受けとめた」



「ええっ、草野くんが!?」



「そ。スーパーヒーロー並にね」



ニッコリと笑う笑顔に、ドキッとした。



“スーパーヒーロー”



なんて……



郁実を思い出す。