学校一のモテ男といきなり同居

あれ……。




あたし、どうして……。




目の前に広がるシーツから顔を上げると、友ちゃんが駆けよってきた。




「真央、大丈夫!?よかった、気がついて……あたし、先生呼んでくるね」




友ちゃんがパタパタと部屋を出ていく。




どうやらここは、保健室みたい。




あたし……




もしかして、倒れちゃったの?




起き上ろうとすると、また誰かに止められた。




「起きないで。まだ、ダメだよ」




「え……あなた……は?」




「俺?いつも美術で一緒の……って、知らないか」



「草野……くん?」



確か、友ちゃんがカッコいいって言ってた人だ。



あたしがその名を口にすると、彼の顔がぱあっと明るくなった。



「俺のこと、知ってる?」



「うん…」



今日、知ったばかりだけどね。



「嬉しいな、三沢さんが俺のこと知ってるなんて」



「えっ……どうして、あたしのこと知ってるの!?」



驚いていると、声を上げて笑われてしまった。



「アハハッ!三沢さん、有名人だし」



「そっ、そうなの?」



「いっとき、ストーカー事件で話題になってた」



ドキッ。



「……あ……悪い、イヤなこと思い出させた?」



最近では、誰もそのことを口にしなかっただけに、



突然で心構えもできず、嫌な顔をしてしまったみたい。



草野くんを心配させないためにも、あたしはフルフルと首を横に振った。