学校一のモテ男といきなり同居

白雪ちゃんが写真をあたしの目の前に突き出したとたん、



友ちゃんが写真を奪いとってしまった。



「だから、やめろって言ってんでしょ!?真央、今のうちに逃げて。白雪は、あたしが退治するっ!!」



「あたしは化け物かっ!」



「似たよーなもんでしょ。メイク濃いっつの!化粧お化け」



「なっ……」









ふたりのやり取りは、いつものこと。



こういう日常に、郁実がいたら…



ホントに最高なのに。



こんなときでもやっぱり、



あたしはすぐに郁実のことを考えてしまう。



白雪ちゃんが持ってきた写真、



見たかったな…。



友ちゃんには内緒で、あとでコッソリ見せてもらおう。



そんなことを考えていると。



「もうすぐ先生来るから、席に着いた方がいいよ」



騒いでいた友ちゃんたちの後ろから、ひとりの男の子が入ってきてそう声をかけてきた。



長身で茶髪、明るい笑顔だけどチャラい雰囲気はない。



美術のクラスが一緒のような気がするけど、


…誰だっけ。