なんだか甘い雰囲気に流されたのか、いつもなら突っぱねるところだけど、郁実のキスを受け入れた。



静かな部屋に、チュッというリップ音が響き渡る。



壁際に追い詰められ、郁実の甘い視線に釘づけ。



なんだか頭がボーッとしてきちゃった……。



郁実はいったんキスをやめると、ボソッと呟く。



「……いい?」



えっ。



いいって、何が?



キョトンとしていると、郁実がクスッと笑う。



「今から……シよっか」











……はい?



甘くて溶けそうだった脳内が、一気に覚醒した。



「やっ……ウソ、郁実~!?しないってば、しないってば!どどっ……どーしてそんなこと言うの!?あっ……あたし、そんなっ」



もー、ダメ。



パニックで、カミまくり。



ひとりで焦りまくってると、郁実が優しく髪を撫でる。