学校一のモテ男といきなり同居

「好き…」



郁実に、聞こえるか聞こえないくらいの声で呟く。



だけど、しっかり郁実の耳には届いていて。



「俺も」



力強く、抱きしめられる。



苦しいよ……。



郁実に愛されてるって実感する度に、心がちぎれそうになる。



こんなにあたしを信頼してくれてるのに、



郁実にウソをつかなきゃいけないこと。



こんなに好きなのに…



もうすぐ、一緒にいられなくなること。



そして、それを……あたしが導かなきゃいけない。








「郁実……痛いよ…」



「ん……もう少し、このまま」



屋上に吹いている優しい風が、あたしたちの側を通りぬける。



心地よい、時間。



郁実と……ずっと、こうしてたいな。