学校一のモテ男といきなり同居

「うんうん、だろーな。俺って学校一のモテ男だから」



満足気に言うコイツを殴りたい。



でも、惚れた弱み。



その言葉を聞いて、胸がギュッと痛くなるあたしは、今この場にいない女の子たちに妬いてる。



あたしが黙ってると、郁実があたしから体を離した。



そして、とびっきりの笑顔を見せてくれる。



「だけどその俺を、今独り占めしてるのって誰？」



ドキッ。










郁実の笑顔にも、その言葉にもドキドキが止まらない。



「あたし……です」



「だったら、不安になるなよ。何人の女が俺を好きでも、俺が好きなのは…お前ひとりだけだから」



やばい……。



郁実を見てたら、涙腺がゆるんできた。



こんなに好きって言ってくれる郁実を、あたしは騙そうとしてる。



「お前はすぐ泣くなー」



目を細めながら頭をなでる郁実の手を、軽く拒む。



「泣いてないよ……嬉し涙だもん」



「やっぱ泣いてんじゃん」



顔をくしゃっとさせて笑う郁実の胸に、もう一度飛びこんだ。