学校一のモテ男といきなり同居

ポカポカと、郁実の胸を叩く。


「いってぇー、やめろって」


笑いながら、片手であっさりとあたしの両手を封じ込める。


「きゃっ」


「俺にそんなことしていいと思ってる?」


「ごっ、ごめんなさい!」


なんであたしも謝ってるんだか。


「わかればいーよ。お望み通り、場所を変えてやるよ」


そう言って、歩き出す。


なんでそんなに上から目線?


もうっ!


だけど、やっぱり着いて行っちゃう。






郁実の後ろを歩いていたら、手を後ろに出してきて、



あっという間にあたしの手を握る。



さりげなさすぎて、逃げれなかった。



うっ…不覚!



「わざと悔しそーな顔してんなよ。嬉しいくせにー」



ニヤつきながら言ってくるから、足を蹴ろうとするけどヒョイとよけられてしまった。



「だーかーら、俺に勝とうとするなって」



「勝つとか、そんなんじゃないでしょ。その顔がムカつくの」



「んあ?だけど、この顔が好きなんだろ?」



得意げに言われるけど、うっ…と言葉につまった。



なに言っても、すぐにかわされちゃう!



もー!



だけど好きだから、本気では憎めない。