教室に戻る生徒の波から外れ、あたしたちは校舎裏にやってきた。



ギャルと向かい合う。



「まだ文句言うつもり?何度言われたって、あたしは…」



「お願いっ!!この通りだから、郁実を諦めて!!」



突然ギャルが、あたしの前で土下座した。



どっ……どういうこと!?



「そんな、土下座されても困るよ!頭をあげてよ」



立たせようと腕を引っ張るけど、一向に動こうとしない。



「あのあと、白雪ちゃんが……倒れたの」



「ええっ!?」



もしかして、あたしがあんな言い方したから?



だけど、気が強い白雪さんがそんなことで?



なにから聞いたらいいのかわからずに戸惑っていると、ギャルの方から話し始めた。










「白雪ちゃん、郁実のためにずっと色んなことを我慢してきたの。本当は、高校だって遠くの音楽学校に行くはずで。

だけど、郁実が戻ってくるって知ったから行かなかった。今だって、郁実のために全力で動いてる。三沢さんは…郁実のために、なにかした?助けてもらってばっかりだよね」



「だからって、どうして郁実を諦めなきゃいけないの?そんなの理由にならないよ」



「三沢さんは、郁実のことがずっと好きだった?違うでしょ?一緒に住んで、それで好きになった。

そんなの……ずっと好きだった人からしたら、悔しいんだよ。ズルい……」



ズキッ。