だって、


今、すぐ側にいないだけで、



すごく不安になる。



体育館で表彰されて、みんなから拍手を送られているはずの郁実。



今日もまた、テレビで表彰式の映像が流れるはず。



郁実が人の目にさらされる度、



胸がギュッと苦しくなる。



ずっと…あたしだけの、郁実でいて欲しいよ。



だけどそれは、郁実が学校一のモテ男である以上、



かなわないんだよね。







そんなの、最初からわかってた。


それなのに、好きになった。


好きなの…


こんなに大好きなのに、好きな人の栄光を素直に喜べないなんて、


悪い彼女だよね。


こんなあたしは、


彼女、失格なのかもしれない…。