「やってみようよー」



「…んだよ、英語嫌いなんだって」



「そんなこと言って!

前は病院が嫌いって言ってたし、郁実って、ホント子供なんだから」



「さっきは、子供でいいって言ってたろ」



「ブツブツ言わなーい!決めたら、今すぐ英語の勉強しよっ」



「わけわかんねーな」



郁実は口ではそう言ってるけど、笑ってる。



そして、立ち上がろうとしたあたしの腕をクイっと引っ張った。



「きゃっ」



はずみで、郁実の胸に飛びこんでしまった。









急接近して、ドッキドキ!



「急に引っ張らないでよ。こけちゃったじゃない」



「うん」



「うんじゃないでしょ!?」



まったく、郁実ってば……。



あたしの言葉は無視で、郁実は笑みを浮かべている。



「な……なに、笑ってるのよ」



「真央んちで……よかった」



郁実がポツリと呟く。



「どういう……」



どういう意味って言おうとしたら、ギュッと抱きしめられた。