郁実が俯き加減に、インタビューに答えていて、


リポーターが次から次へと、色んなことを質問している。


そのうち郁実の画像が消えたかと思うと、


うちの高校らしき門や、イケメンヒーローの素顔ってテロップと共に、イメージ映像が流れ始める。








ウソ…なんなの、これ。


呆然としていたけど、お母さんのキャーキャーいう声で我にかえった。


「郁実くん、テレビで見てもやっぱりイケメンよねぇ~。かっこいいわぁ~」


お母さんの目は、完成にハート。


「これ……なに?」


「なにって、郁実くんが捕まえたストーカーって、捜索中の強姦魔だったのよ」


「ええっ!!そうなのっ!?」


昨日のことを思いだして、あたしは震えあがった。


「一年ほど前から、物騒な事件が相次いでいて。だけど警察も犯人を捕まえられないでいたんですって。

それを、郁実くんが捕まえたでしょ?もう、ヒーロー扱いよ。しかも超イケメンで、マスコミ騒然!」



郁実が……


ヒーロー!?