学校一のモテ男といきなり同居

「なんでだよ……困らせんなよ……」



井上くんのツラそうな声が、頭上から聞こえてくる。



「お願い……」



ギュッと、井上くんのシャツを掴む。



その上から、井上くんの手が重なった。



ドキッとするよりも、胸が苦しくて切なくなった。










井上くんの才能の芽を摘むなって言ったあたし自身が、



今、井上くんのデビューの機会を、奪おうとしている。



これが正しいことなのかどうか、あたしにはもうわからなくなっていた。