学校一のモテ男といきなり同居

それだけ、


井上くんを好きになるのが、あっという間だったから……。



人の気持ちって、それだけ揺らぎやすくて不安定。



井上くんが少し腕をゆるめたから、やっとのことで声を出すことができた。



「くっ……苦しいよ。そんなに、ギュッてしないで……」



「あ、わり~。つい」



苦笑している井上くんの胸を軽く押して、少しだけふたりの間隔を開けた。









「それでも……行かないでって言ったら、やめてくれる?」



「え……」



「才能があるから、チャンスなんていくらでも巡ってくるって自分で言ってたよね?

だから、今回は……行かないで……」



一度離れた体を、今度はあたしの方から押しつけた。



井上くんの胸に頬をあてて、ギュッと目を閉じる。