「は……離して……、お願い……」



「いつもの威勢は、どっかに行っちゃった?」



「……あたしに、なにかしたら……井上くんに、言うから……。

キスだけでミキオくんを……殴ったんだから、襲われたって知ったら、どうなるか……」



やっとのことで、言葉を発したのに、笑い飛ばされた。



「ハッ、そんなこと、いちいち郁実先輩に報告するか?

彼氏にヤられましたって?それ、どう考えても、おかしいだろ」



「彼氏じゃないくせにっ……」









「お前がさー……。

自分から、お願いしたんだろ?俺に彼氏になってくれって」



ミキオくんの顔付きが、突然険しいモノに変わった。



それを見た瞬間、背筋がゾッとした。