言い返そうとしたら、井上くんがあたしの頭にポンと手を置いた。



「でも、そのちょっと抜けてそうなところがかわいいよな、お前って」


うわっ!



今、サラッとかわいいって言った?



不覚にも、あたしの胸はドキドキしてる。



しかも、頭に置かれた手を妙に意識してしまう。



「バカにしてるでしょ」



「そんなことねーって。真央は、かわいいよ」



ドキッ!



「もうっ、お世辞はいいよ……」



「嬉しいくせに」



「なっ……井上くんに言われても、嬉しくないよ!色んな女の子に同じようなこと、言ってるんでしょ?

それでみんなのご機嫌とって、いい人のフリして…」



あたしがそう言ったら、井上くんの顔が少し曇った。



しまった……。



あたし、言いすぎちゃったかも。