学校一のモテ男といきなり同居

「すごい!!井上くん……ウマいよ!?すごくよかった!」



パチパチパチと何度も拍手をすると、



「やめろよな~」



って言って、照れ笑いをしている。



うん、ホントに見直した。



「口ばっかりのヤツだと思ってたけど、そうじゃないんだね。ボイストレーニングの成果が、ちゃんと出てるよ」



「うっせ。一言多い」



井上くんがあたしにクッションを投げつけてくる。



――ぼふっ!



それをまともに顔面に受けてしまうあたし。



「なんだよ、そのぐらいよけろよ…」



呆れた声を出して、井上くんがあたしの側に来た。









「いきなりだったからよけれないよ!」



「そうだったな…お前、運動神経ニブいもんな。じゃなきゃ、廊下であんなコケ方しない…」



それは井上くんが初めてウチに来た日に、学校で起きたイチゴパンツ事件のことだよね!?


あぁ、何度思いだしても恥ずかしいし、悔しい…。



なんであたし、あのときコケちゃったんだろ。