学校一のモテ男といきなり同居

「うん…」


井上くんの部屋を出て、自分の部屋に入りかけて…


やっぱりまた井上くんの部屋に戻った。







「あたしのせいで…風邪ひかせちゃって、ごめん。

昨日、井上くんがいてくれて…すごく心強かった。これは…ホントだよ」


そう言ったけど、井上くんは背を向けたまま、返事もない。


そうだよね…心配してくれてたからこそ、ストーカーを追ってくれたり、


今朝まで寝ないで起きてくれてたのに。


もうこれ以上言っても聞いてくれそうにない気がしたから、あたしは部屋を出た。


自分の部屋に戻って、制服を着て家を出た。


ひとりで警察に行く勇気もないし帰ったら、お母さんに相談しよう。


今は早くでないと、井上くんの看病をさせられそうだもんね。


色んなことが消化不良のまま。


モヤモヤした気分のまま、学校までの道を急いだ。