「そうしようかな…また変なおじさんが現れたら、怖いし」


「わかった。学校は遅刻するけど、警察に寄ってから行くか。俺も一緒に行ってやるよ」


「ありがとう…」


そのあとは、井上くんと一緒に朝ご飯を食べた。


今日は、いつもみたくからかわれることもなく。


普通の会話をしているうちに、時間が過ぎていった。


井上くんって、イジワルなときと優しいときのギャップが激しすぎるよ。


いつもこうなら、いいのに。





「飯、うまかった。ありがとな」


やんわり笑うと、井上くんはテーブルで頬杖をつく。


「別に、大した料理してないもん」


改まってお礼を言われると、照れる。


急いでお皿を片付けるけど、しばらくしても井上くんはまだあたしを見つめていた。


しかも顔は赤いし、なんだか目も虚ろ。


「…どうしたの?」


「んー…なんかフワフワする」


「えぇっ!?もしかして…」


井上くんのおでこを触ると、びっくりするぐらい熱かった。