そこで、井上くんはピタッと足を止めた。
「ミキオは、ちょっと強引なとこもあるけど、
惚れた女にはめちゃくちゃ優しいから…大切にしてもらえよ」
ドキッ。
井上くんは微笑んでいるだけなのに、そんな言い方をされたあたしは、なんだか胸が痛くなった。
「そんなの…わかってるもん」
あたしは井上くんから目を逸らす。
「ま、俺が心配することじゃねーか。風呂、入ってくる」
そう言って、井上くんはお風呂場に向かった。
なんなのよ…あたし。
どうして、切なくなるの?
これで白雪さんからも妬まれなくて、ラッキーじゃない。
それなのに、
こんな胸が痛いのは……。
ボーッとテレビを見ていたら。
――カシャン。
と外で、なにか鋭い物音がした。
「ミキオは、ちょっと強引なとこもあるけど、
惚れた女にはめちゃくちゃ優しいから…大切にしてもらえよ」
ドキッ。
井上くんは微笑んでいるだけなのに、そんな言い方をされたあたしは、なんだか胸が痛くなった。
「そんなの…わかってるもん」
あたしは井上くんから目を逸らす。
「ま、俺が心配することじゃねーか。風呂、入ってくる」
そう言って、井上くんはお風呂場に向かった。
なんなのよ…あたし。
どうして、切なくなるの?
これで白雪さんからも妬まれなくて、ラッキーじゃない。
それなのに、
こんな胸が痛いのは……。
ボーッとテレビを見ていたら。
――カシャン。
と外で、なにか鋭い物音がした。


