――ガチャッ、バタン!



今度は玄関の方から音が聞こえた。




「きゃあぁーーーっ!!!」



あたしはまた大きな声で叫ぶ。



情けないけど、叫ぶことしかできなかった。




どこかに、逃げないと!!




そう思って立ちあがろうとしたけど、慌てているからか靴下が滑ってその場にコケてしまった。










「おいっ、どうした……」



「きゃああーーーーーっ!!!」



「落ち着けよ!!!真央!!!」



えっ……!



気がつけば、家に入ってきたのは井上くんだった。



「井上くんっ……」



恐怖から解放された勢いで、



あたしは井上くんに抱きついた。