そしてまた、チャイムが鳴る。


…ん。



今度は、玄関に黒いジャンパーを着て目出し帽をかぶった男の人が写っていた。



…怪しいよね。



出るか出るまいか迷っていると、男がまたチャイムを押した。



もしかして…



生徒手帳を盗んだ人なのかな。



住所を調べて、ウチまでやって来たの!?



やだっ、怖い!



あたしはソファに座り、近くにあったクッションで顔を覆った。



それでもまだ、チャイムは鳴り続ける。








そうだ…


井上くん。


そろそろ帰ってくる頃じゃない!?


あたしはケータイを手にとった。


そして、井上くんに電話をかけた。