「なに!?」


「なーんか、寂しいな。真央は…俺のもんなのに」


ドキッ!


井上くんは、ヘラッと笑っている。


意味わかんない!


「ちっ、違うでしょ!?」


「そーでした。なんか、妬けるわ。なんでミキオなんだよ」


あたしの胸は、なぜかドキドキしていた。


そんなことを言っておきながら、井上くんは大して気にしてないみたいで、サラリと流してしまった。


「おっ、時間ねぇ。行くわ」


井上くんは笑みを作ったまま、出かけて行った。





残されたあたしは、


なぜか胸がドキドキしていて、落ち着かない。


慌てて家に入ると、誰もいなかった。


あれっ、お母さんは?